王子と姫を当てはめて

第二十四話『デート』

　元音(もとね)がそう言って彼に笑いかけると、久土和(くどわ)もいつものように太陽のような笑みを向けてくれそのまま二人で歩き出す。

「ゲームセンター何からする！？」

　歩き始めたところで早速本日の予定を尋ねてみる。

　遊ぶ気満々の元音は、久土和と今日一日何時間いられるのだろうと楽しく考えながらそんな質問をしていた。

　その問いに対し久土和は「平ちゃんはどんなゲームいつもしてるんだ？」と逆に質問を返してくれる。こちらの好きなものを優先しようとしてくれるその姿勢に心が満たされながらも元音は普段遊ぶゲームを彼に伝えた。

「わたしはUFOキャッチャーとかエアーホッケーとかよくするよっ久土和くんはいつも何するの？」

「おっ定番だよな！　俺もどっちもするぞ！　後はゾンビ倒すやつもよくするな」

（久土和くんらしい〜〜〜っえへへ、一緒にシューティングゲームやりたい！）

　元音は普段はシューティングゲームをする事がなかったが、久土和となら何をしても楽しめそうだ。元音が下手っぴであっても、彼は笑ってその状況すらをも楽しんでくれるだろうと容易に想像が出来る。

「わたし普段やらないゲームもたくさんしたいなっお小遣いはたくさん持ってきたから大丈夫！」

　そう言って彼に提案してみると、久土和も笑顔を向けながら「じゃあ今日は遊び尽くすか！」と楽しそうな声で同意してくれるのであった。ゲームセンターデート、なんていい響きなのだろう。

（人生で一番幸せかもっっキャ〜〜〜〜〜っ！！！）

　デートに誘って良かったと、心の底からそう思うのであった。