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「今日もありがとな! 気を付けて帰れよ!」
「うんっ!!! ありがとうっ久土和くんもお疲れ様!」
元音がそう返すと、久土和は手を振りながら見惚れるほどの素敵な笑顔でこちらに優しい言葉を掛けてくれる。
絶望的な気分になっていた元音はそれだけで救われるような気持ちになり、急いだ様子で体育館を後にした久土和の大きな背中が体育館の扉で見えなくなるまでずっと目を向けていた。
そうして頭で考える。今何をすべきなのか――。
(よし、尾行しよう!)
久土和と雲園は終礼後、近くのお店で夕飯を食べる。それならば見つからないように尾行をするしかないだろう。
決意を固めると、そのまま斉藤に挨拶を向けて元音は尾行のプランを立て始めていた。
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