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「付き合って一週間記念日にクッキー焼いたんだっ」
そう、今日は勝旺と付き合って記念すべき一週間目である。
一日前、元音は学校から帰宅すると、あらかじめ用意していた材料を慣れた手つきで混ぜ合わせ、ハート型にしたクッキーを焼いてきていた。
「マジか! 超美味そうだな! サンキュ元音ちゃん、一緒に食べようぜ!」
「うん! 食べるっ!!」
(勝旺くん専用で作ったけど、一緒に食べようなんてほんと優しい王子様〜〜〜っ好きっ大好き!!!!!)
勝旺と付き合ってからの昼休みは、二人で一緒に弁当を食べる事が日課となっている。
美苗と可菜良には快く送り出されており、勝旺も友人らに背中を押されているようだ。
元音も勝旺と一緒にランチの時間を取ることは願ってもない事なので、遠慮なく彼とのランチタイムを独占している。最近は屋上でお昼を食べるのが習慣になっていた。
「おっめっちゃうめえな!! ココアとチョコ、色は似てっけど二種類あるよなっ!?」
「わっすごいっ! よく分かったねっ!! そうなんだ〜! ココア味とチョコ味二種類あるのっ気付いてくれて嬉しいっ!」
「俺味覚には自信あるんだぜ! 元音ちゃん料理上手なんだな、マジで美味いわ」
「えへへ、また作ってくるねっていうか、お弁当も作ってきて良かったりする? わたし、いつも自分でお弁当作ってるから、勝旺くんのお弁当もよければ作りたいなっ」
勝旺のお弁当を自分が作ってこられるほど最高な日課はないだろう。
彼の為を思い、彼の為だけに包んだ愛情弁当。愛妻弁当と呼んでもいいであろうお弁当を毎日届けられるのなら、毎日気合を入れて料理をしたいところだ。
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