第四話『確認』

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第四話『確認』

 久土和(くどわ)を好きになって四日目を迎えていた。  連絡先を既に入手している元音(もとね)は久土和に三日間連続でレインを送っている。  正直なところ彼に引かれないだろうかと不安にはなっている。しかし久土和はお世辞を言えるようなタイプではないと考え、嫌だと思った事を無理に続けるようには見えなかった。  そのため迷惑に思っていたら彼から何かしらの通達があると思っているのだ。だがそうは思っても元音への評価が下がってしまっていたらそれはあまりにもショック案件である事は確かだ。  元音は休み時間、久土和が一人になったところを見計らうと、それまで談笑していた可菜良(かなら)達に背中を押され彼の元へ足を運んでいた。 「久土和くん」 「おっ平ちゃん、どした?」  相変わらず太陽のように明るい笑顔でこちらを振り向いてくれる彼は、何度見ても元音の心臓の音を速める要因となっている。彼への好きという想いはいっときの感情などではなく、間違いなく自分はこの久土和という一人の男に恋焦がれていると確信を持てる。  理想的な王子様がなんだ。自分の前に現れた王子様は久土和しかいないのだと、そう改めて実感しながらこちらの言葉を待つ久土和に声を向けた。 「昨日も、レインありがと! えっとさ、迷惑じゃない?」 「ん? レインがか?」
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