プロローグ

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プロローグ

 王子様……そんな存在が自分の前に現れない事は分かっている。  自分が平凡でどこにでもいる普通の女の子である事は物心ついた時から理解している。  物語に登場するような金髪でがっしりと鍛えられた細マッチョに何をしても絵になる素敵な王子様。そんなものは現実には存在しない。  いたとしてもこの平凡な自分を見てくれる王子様などいる訳はないだろう。自分を卑下しているのではなく、王子様に好かれるなどあまりにも現実的ではないからだ。  しかしそれらを分かった上で元音(もとね)は求めている。自分だけを愛してくれる、外見も中身も完璧な王子様を――――――。
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