雪月がいない!?

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雪月がいない!?

そして1週間がすぎた頃、俺は仕事仲間であり友人の大和(やまと)の仕事を手伝いに来ていて、色々ととっちらかってて全然終わらないまま、雪月を迎えに行く時間が迫っていた。 「佑人?ちょっとこれ調べといてくれる?」 「あー、それ今日じゃなきゃダメ?」 「結構急ぎなんだわ、無理なら別のヤツにやらせる」 「あーいいよ、大丈夫」 「そ?じゃあお願い」 あれから変なやつがつけてきてる気配もないし、雪月には連絡しておけば大丈夫かな… と、一先ずメッセージに【ちょっと遅くなるから店から動くな。】とだけ送っておいた。 それから数分後、なかなか仕事が片付かずにタイムリミットまであともう少しという時間。 やっぱりどうにも気にかかって仕方ない… 「大和、ごめん。やっぱ切り上げていい?」 「ん?どおした?」 「いや、やっぱ心配で…」 「彼氏?」 「うん…」 「いいよ、行っておいで」 「悪りぃな」 そして事務所から出て確認した時刻は、迎えの時間の10分前… どんなに急いでもここから20分はかかる。 まぁたった10分程度なら待たせても平気だろうと思ったものの、とにかく急いで雪月のバイト先に向かった。 それから雪月が定時ピッタリに了解と返事を返してきたのを確認して、俺は10分遅れで店に着いた。 しかし、店内に雪月の姿は見当たらない… 「あのっ…ゆづ、いや佐藤は?バイトの…っ」 「あぁ、佐藤くんならついさっきまでそこで男の人と話してましたけど…」 「それで!?その後どこ行った!?」 「や、そこまでは…」 嘘だろ…!?もしかしてずっと張ってたのか? でも、そんな簡単にここから連れてかれるはずもないし… とにかく、落ち着いて雪月の携帯にかけてみても、呼び出し音は鳴るものの全く出ない。 本人だって警戒してたはずだから、よっぽどの事がない限り外には出なかったはず。 「いつまでここにいた!?相手はどんなやつだよ!!」 「本当についさっきまで、サラリーマンみたいなスーツの…あ、あの人です…っ!」 店員が指さした方に振り返り、そいつに一直線に向かって行ってスーツの襟を掴んだ。 「てめぇ…雪月はどこだ…」 「えっ、ゆづ…?知りませんよ、そんな人…っ」 「さっきまでここで話してたんだろうが…っ!」 「あ…あの人なら、その…」 見た目は普通のサラリーマンだが、こいつがストーカー!? 全身にくまなく視線を向けると、スーツのポケットからはみ出した万札を見つけ、それを掴み相手の男の顔の前にチラつかせると、男の表情が変わった。 「…誰に頼まれた」 「し、知りません…っ!ただ俺はあの人に道案内させろと頼まれただけで…っ」 「あの人って誰だよっ!」 「や、名前までは…っ」 「くそ…っ、連れてけ」 「えっ…」 「そこまで連れてけって言ってんだよっ!!」
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