2人が本棚に入れています
本棚に追加
No.6
龍side
...今日も笑えたかな。
少しでも寂しそうな感じを出さないように。
病院のみんなを、はやてを心配にさせないように。
病室に戻ると両親と幼い頃の僕の写真が目に入った。
僕が小4のときに両親は事故で亡くなった。
...僕のせいで。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
龍「ねー、お母さん見てー! テスト100点とったー!」
母「あら、すごいじゃない! 今日は龍の好きな夜ご飯にしよっか!」
龍「やったぁ✨」
母「あなたも一緒に作りましょうね」
父「え、あ、僕は料理できないから...」
母「龍のためって思えばできるわよ。大丈夫」
父「...わかったよ。じゃあ買い出し行こうか」
母「そうね。龍も行きましょう」
龍「うん!」
龍「いっぱい買ったねー!」
母「そうね。もうじき暗くなるから早く帰りましょうか」
龍「うん!」
そのとき、目に映ったものがあった。
道路にいた子ねこだ
龍「お母さん、あそこに子ねこいる...」
母「あら、ほんとねぇ...。でも親ねこが見当たらないわ...」
そのとき、ねこにトラックが迫っていた。
龍「ひかれちゃう...!」
このとき、道路に飛び出せなければよかったのかもしれない。
母「!! 龍! 待って!」
父「危ないっ!」
ドンッ
鈍い音が聞こえた。
父の体が1mくらい先まで飛んでいったのが見えた。
ベチャッ
その音とともに落ちてきたのは...
龍「お母さん...!」
膝から崩れ落ちてしまった僕の目には
母の体から広がる赤黒い液体が映っていた。
龍「お父さん...お母さん...そんな...ごめんなさい...」
母が僕の手を握りながら言った。
母「ごめんねぇ...」
それが母の最後の言葉だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初のコメントを投稿しよう!