No.7

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No.7

 その後、搬送先の病院で両親の死亡が確認された。  僕は軽傷だった。  死ぬのは僕でよかったのに、と思った。  両親のことを思い出すたびに過呼吸になった。  僕は過換気症候群と診断された。  最初は毎日毎日過呼吸になってつらかった。  でも今は1週間に1回なるかならないかだから楽。  小学校高学年からずっと入院してるから友だちなんていなかった。  学校には行けないからワークとかプリントで勉強してた。  そこから数年、高校に受かった。  定期テストでは常に上位に入り続けた。  でもそれだけじゃ卒業できないから月に1度は学校に行ってる。 龍「父さん...母さん...」  僕が死ねばよかったのに...。 龍「...ひゅっ」  ...過呼吸だ。  吸入器どこだ...? 龍「...!」  ない...!  手もしびれてきた。  ともかくナースコール押さなきゃ...。  痺れる手でなんとかナースコールを押す。 ナース『もしもし? 龍くん?』  返答できない...。苦しいっ...。  咳も止まらない。 ナース『!? 先生っ! 龍くんが...!』  意識が薄れてきた。 ナース『__うくん! りょ_くん! ___る!? _____!』  僕はそのまま意識を手放した。
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