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「きさらぎ駅に降りたはすみさん。彼女以外に下車した者もなく、戻るかそのまま留まるか悩んでいる内に電車は扉を閉めて行ってしまいます」
竹内の言葉に合わせ、実際に遠州鉄道の列車も駅から出て行ってしまう。
「そこで、駅から出てタクシーを探すはすみさんですが、タクシーどころか公衆電話すら見つかりません」
続いて画面には、駅構内から外の闇に歩き出す竹内が映し出され、彼女は周囲を見回しながらリポートを続ける。
「仕方なく、家に電話して両親に迎えに来てもらおうとするはすみさんでしたが、両親からもその駅の場所がわからないと言われてしまいます」
「この頃になると、2ちゃんねらー達の中にも〝きらさぎ駅〟の場所を探す者が現れ始める。しかし、そんな名前の駅はどこにも見当たらない」
「駅の近くには草原や山があるだけ。はすみさんは線路を辿って来た方向へと歩きながら、両親からの連絡を待つことにしました」
ナレーションとの解説を交互に繰り返しつつ、暗い山間の線路を竹内は歩いて行く……。
「線路を歩いてゆく途中、父親から電話が入りますが、やはり場所がわからないということで、はすみさんは110番することにしました。でも、これも悪戯と思われてしまいます」
線路上を歩きながら、竹内はガラケーを耳に当ててかける振りをする。
「そんな中、コメントで周りはどんな感じ? と訊かれた彼女だったのですが……ここで最初のクエスチョンです。この質問にはすみさんは〝鈴の音〟ともう一つ、ある音が聞こえると答えています。その、もう一つのある音とはいったいなんだったのでしょうか?」
そして、唐突に竹内が最初の問題を出題すると、またあのチャラララ、チャラララ、チャラララ、チャラララララ〜…という馴染みのBGMが流れ出す。
「まあ、これは有名ですからノーヒントでいきたいと思います。それではお書きください」
画面がスタジオに戻り、マッチョな司会者が解答者に答えを書くよう促す。
それに三人は電子ペンを台上に走らすと、各々、大国主のような恰好の〝ふひとくん人形〟を自身の前に置いてベットした。
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