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わかってましたよ
「年内に決着ついてよかったです。」
仕事納めにデスク周りを片付けながら、
若林君が俺に履いた言葉。
「若林君て何者?」
「派遣社員ですよ。まぁちょっと仕事できる(笑)」
「部内の女子の視線は一番集めてるよな」
「部内だけじゃないけどな」
佐山と3人で笑いあう。
「ほらーそこ、早く片してよ」
佐々木さんからげきが飛ぶ。
「「はーい」」
「たく、いつまでたっても男子って高校のノリだよね」
棚橋さんが遠くであきれてつぶやいた。
「それにしても下半期に派遣されてきて、
女子人気ナンバーワンとかマジでうざいわ(笑)」
休憩中に小森さんが合流。
「はは…。小森さんにはかなわないですよ。
俺はこの部署限定って感じだし」
「そんなことないだろう」
この二人はマジで合コンに呼びたくない1.2だな。
「まぁでも俺にもおとせない女はいますけどね」
そう言って若林君はちらっと五月さんを見た。
でも小森さんはそれに気づかない。
「え?そんな人いるの?
あ、もしかしてこの前『気になってる』って言ってた人?」
「あぁ、まぁそんなとこでしょうか。」
若林君は笑ってごまかしたけど、俺はちょっとドキッとした。
「小森君お菓子持って行って」
棚橋さんに呼ばれて小森さんがいなくなった。
その瞬間。
「五月さんが俺の好きな人じゃなくて良かったです。
だって絶対勝てないし」
若林君が俺にささやいた。
「え?若林君何を知ってるの?」
そう聞くと彼はいたずらに笑って、
「わかってましたよ配属されてすぐから、
五月さんの気持ちも真島さんの気持ちも」
と言った。
「えぇ?マジで何者なの?」
楽しそうに笑う若林君。
まるで社内調査員のような彼のこと、
マジ侮れない。
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