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高梨悠斗はゆっくりと下へと降りた。
「それで、なにかわかったか?」高梨悠斗は聞いた。
「はい。やはり飛び降りたとしたらおかしいみたいですね」田端迅は答えた。
「というと?」
「遺体が綺麗すぎるらしいです。あの高さから飛び降りたら、もっと遺体が損傷していないとおかしいらしいです。それに着ている衣服も破れたりしてないのもおかしいとのことです」
「なるほどな。ということは、何者かがこの場所に佐伯先生の遺体を置き、そして飛び降り自殺に見せかけるために屋上に靴と偽物の遺書を置いたってことだな」
「そういうことになりますね」
「そいつが佐伯先生を殺した犯人ってことか」
「おそらく」
「それで、飛び降り自殺じゃないのなら、死因はわかったのか?」
「はい。どうやら前頭部を鈍器のようなもので殴られた形跡がありました」
「それが死因ということか。それにしても前から殴られるなんて間抜けな先生だな」
「振り向きざまに殴られたとかじゃないですか」
「なるほどな。かもな。……それで犯人の目星はついてるのか?」
「それが、まったく」
「とりあえず、今日の佐伯先生の行動を洗ってみようか」
「はい。わかりました」
高梨悠斗と田端迅は他の先生に話を聞きに行くことにした。
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