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桜……はピンク色だから、今回はナシ。ウサギさんは白だけど、白は泥汚れが目立ちそうだしなぁ……。あとはクッキー?クッキーの色って、茶色?茶色い長靴は置いてないな。他に何かあったっけ……?
「……あ」
ふと、私の脳裏に、千秋くんと初めて会った日のことが蘇った。
千秋くんの、深紅の炎。とっても、とっても綺麗だった。
それだけじゃない。千秋くんの『炎』は、私を2回も助けてくれた。綺麗なだけじゃない、強い力。誰かを守れる優しい灯。
私、好きだな。千秋くんの『紅い色』。
私はすぐに、棚の端に置いてあった赤い長靴を手に取った。
「おばあちゃん、決めた!」
温かい赤い長靴。私はそれを、おばあちゃんに勢いよく見せた。
「私、今年は赤にする!」
「ふふっ、そう。分かったよ。じゃあ、春花のサイズのものを買おうか。何センチだったっけ?」
「えっと……19センチだったかな?」
「19……これだね」
おばあちゃんは19センチと書かれた箱から長靴を取り出し、私の前に並べる。
「サイズが合ってるか、履いてごらん」
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