7.5 孫の未来を見つめる気持ち

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 春花はそれに足を入れて、しばらくして……困り顔でこちらを見た。 「おばあちゃん、ちょっと小さいかも……」 「あら、そう……じゃあ、20センチにしようか」  私は、今度は20センチの箱を取り出し、中の長靴をもう一度春花の前に並べる。  春花が困ってたから笑うのを我慢していたけど、おばあちゃん、嬉しかったよ。  また足が大きくなったんだね。  成長したね。春花。 「今度はどうかな?」 「うーん……あ、丁度いいよ!」  靴がピッタリ履けて、明るい笑顔をこちらに向ける春花。  その笑顔が、とっても愛おしかった。 「そうかい。じゃあ、それにしよっか」  私は出した靴を片付けながら、堪えきれずに笑顔を浮かべる。  どんどん大きくなっていく春花。どんどん大人になっていく、可愛い可愛い私の孫。  春花の未来が、明るいものでありますように。  春花の幸せな未来を、ずっと傍で見守っていけますように。  私は、胸の内が温かいのを感じながら、そう静かに祈った。
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