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「え!?そんなことできるの!?」
「俺のアビリティを忘れたのか?お前の考えてることなんてお見通しだっての。……あー、分かったぞ」
眞冬くんは得意げな顔をしながら、私を見てこう言った。
「新しい長靴だろ。赤いやつ」
「すごいすごい!正解!!」
私が目をキラキラさせながら拍手すると、眞冬くんは照れくさそうに頬をかきながら、小さく呟いた。
「……こんなに喜んでくれんなら、この厄介なアビリティも捨てたもんじゃねぇな」
「え?」
「あー、わり。こっちの話」
眞冬くんはそう言うと、優しく微笑んで私に尋ねてきた。
「その長靴の話、聞かせてくれよ。誰かに話したくて仕方なかったんだろ?」
「あっ、うん!あのね、おばあちゃんがね、長靴買ってくれたんだ。いつもはピンクにするんだけど、今回は気分を変えて赤にしたの」
「へー。そんで?」
「えっとね、長靴は雨の日しかできないオシャレだから、気分を変えてみたらどうだっておばあちゃんが言ってくれて……好きな物の色にしようと思って、赤にしたの!」
私がそう言うと、眞冬くんは、少し寂しそうに、眉じりを下げた。
「それで、赤か…………」
「うん!……どうかした?」
「あっ、いや……なんでもねぇよ」
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