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叔母さんが、何で私にお礼を言うのか分からなかったけど……嬉しそうな顔だったから、とりあえず頷いた。
叔母さんが嬉しそうだった理由は、後から聞いた千秋くんの過去を知って気づくことになる。千秋くんが、何で自分のアビリティが嫌いなのかも、出会った時に、あんなに怯えていたのかも……その時、初めて知ったんだ。
千秋くんの炎が綺麗なのは、千秋くんが優しい人だからだってことも、ね。
「もう日も暮れてきたし、こんなこともあったんだ。今日は2人とも泊まっていきなさい」
お父さんが、叔母さんと千秋くんに向かって声をかける。
「そうね……そうさせてもらおうかしら。幸博兄さん、ありがとう。千秋も良いわよね?」
「う、うん……」
千秋くんが頷くのを見て、お父さんは微笑みながら私の背中を押した。
「さて、春花。千秋くん達をゲストルームに案内してあげなさい。どこにあるか、分かるよね?」
「うん!私、案内する!千秋くん、叔母さん、こっち!」
私は、千秋くんの手を引きながら、2階にある客室に2人を案内した。
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