8.5 千秋と夏実

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 僕は明るい笑顔を浮かべながら、夏実さんに向かって手を差し出す。 「一番になるの、難しいかもしれないけど……頑張ろ」  夏実さんは、明るい笑顔で頷いて、僕の手を握ってくれた。 「うん。……私、頑張ってみる。眞冬と、 遠慮しないでお話してみるよ。だから、志野くんも……」 「うん、春花ちゃんと話してみる。たくさん、たくさんお話して……いつか、眞冬みたいに、誰よりも楽しい気持ちにさせてあげたい」  僕は夏実さんに笑顔を見せながら、自分の気持ちをたしかめた。  諦めないで話してみよう。自分一人で抱え込まないで。  だって、見たいから。春花ちゃんのお日様みたいな笑顔が。  いつか、僕の力で、春花ちゃんを一番に笑顔にできるようになろう。  そう決意した僕は、作り笑いを浮かべていた時よりも、ずっと自然に笑っていた。
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