7人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は明るい笑顔を浮かべながら、夏実さんに向かって手を差し出す。
「一番になるの、難しいかもしれないけど……頑張ろ」
夏実さんは、明るい笑顔で頷いて、僕の手を握ってくれた。
「うん。……私、頑張ってみる。眞冬と、 遠慮しないでお話してみるよ。だから、志野くんも……」
「うん、春花ちゃんと話してみる。たくさん、たくさんお話して……いつか、眞冬みたいに、誰よりも楽しい気持ちにさせてあげたい」
僕は夏実さんに笑顔を見せながら、自分の気持ちをたしかめた。
諦めないで話してみよう。自分一人で抱え込まないで。
だって、見たいから。春花ちゃんのお日様みたいな笑顔が。
いつか、僕の力で、春花ちゃんを一番に笑顔にできるようになろう。
そう決意した僕は、作り笑いを浮かべていた時よりも、ずっと自然に笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!