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雨模様の帰り道。私は傘を差しながら、赤い長靴と一緒に1人で歩いている。
本当は、千秋くんや夏実さんにも長靴のことをお話したかったけど……ちょっと話しかけにくくて、1人で帰ってきちゃったんだ。
なんでかって言うと、千秋くんが、すごく真剣な顔で、夏実さんにお話していたから。
小声だったから分からなかったけど、きっと何かを相談してたんだと思う。
この前、眞冬くんが早退した時は、何か1人で抱えてた様子だった千秋くん。
私も力になりたかったけど、どうかしたのか聞いたらはぐらかされちゃって……結局何もできなかった。
……千秋くん、夏実さんには、相談できるんだ。
私には相談してくれないのに。
「むぅ……」
なんだか悔しくて、私は足元の深い水溜まりに、わざと突っ込んでいった。
バシャバシャと音を立てて、水溜まりを歩く。赤い長靴をビショビショに濡らしながら水溜まりを越えて、私は立ち止まった。
なんだか、千秋くんに会いたくなったんだ。
会いたくて、会いたくて、どうしようもなかった。
私にも、夏実さんとお話したことを教えてって言いたくて仕方なかった。
どうしてこんな気持ちになるのか、よく分からないけど……千秋くんに会わなきゃって、強く思った。
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