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「あれ……?」
急に動けるようになったことにビックリして、私は足元を見ながら首を傾げる。
さっきまでの、何だったんだろ?
私は、足が動かせるのを確認するために、つま先をトントンとついてから、千秋くんの所へ走った。
パタパタと駆け寄って来た私を見て、千秋くんはふにゃりと笑う。
「会いたかった……」
千秋くんのその言葉を聞いて、私は目を丸くした。
「千秋くんも、会いたかったの?」
「え?」
「私も、千秋くんに会いたかったの!会いたくて、お話したくて……戻ってきちゃった。えへへ……」
私が照れ笑いしながらそう言うと……千秋くんの顔が、ボッと赤くなっちゃったんだ。
どうしたんだろ?
「千秋くん、顔、真っ赤だけど……」
「あっ、えっ、えっと……うん。大丈夫」
千秋くんはまだ赤い顔のまま、目を細めて優しい笑顔を作ってくれた。
その笑顔が見れたことが、何故かとっても嬉しくて……私もつられて笑っちゃったんだ。
「ふふっ、そっか!」
すると私達の様子を見ていた夏実さんが、優しく笑いながら
「それじゃあ、私、お店の手伝いで急いで帰るから……2人とも、またね」
って言って、手を振って校門を出ていった。
その後ろ姿を見て、私は慌てて夏実さんに大きく声をかける。
「夏実さーん!また明日ねー!」
すると、夏実さんはくるっと振り返って、大きく手を振ってくれた。
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