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夏実さんに、ちゃんと挨拶できて良かった。でも……さっき、夏実さんが千秋くんと歩いて来た時、すごくモヤモヤしたんだよね。
あの気持ちは何だったんだろう……。
私が難しい顔で腕を組んでいると、千秋くんが私の顔を覗き込んで
「あのさ……一緒に、帰らない?」
って、頬を赤くしたまま尋ねてきた。
「あっ、うん!いいよ!」
私は慌てて頷いて、千秋くんに笑顔を作る。
夏実さんのことは、今考えても分からないし……せっかく千秋くんと会えたんだから、今は2人でお話しながら帰るのを楽しむ方が、ずっといいよね。
「あ、ありがと……じゃあ、行こ?」
「うん!」
私は元気よく頷いて、千秋くんと並んで歩き始める。
さっきまでモヤモヤしてたのが嘘みたいに、私の心は晴れやかになっていた。
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