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 どうしたんだろ。あんまり嬉しそうじゃないような……。心配になった私は、千秋くんを覗き込んだ。 「千秋くん、どうかした?」 「あ、ううん!大丈夫……」 「ほんとに……?」  私がもう一度尋ねても、千秋くんは静かに頷くだけだった。 「そっか……」  さっきまで、一緒に帰れて嬉しかったのに、私の胸が再びモヤモヤし始める。  何か悩んでいるとき、千秋くんは私に相談してくれない。  私に言えない事なのかもしれないし、何でもかんでも聞き出すのは乱暴だと思うけど……やっぱり、寂しいよ。  私じゃ頼りないのかな?  思わず、私まで俯いてしまう。  2人揃って黙り込んでしまったのを見かねたのか、おばあちゃんは私達の肩をぽんぽんと叩いて 「ほら、暖かい飲み物を出して上げるよ。リビングにおいで」  と、優しく声を掛けてくれた。 「春花の好きな蜂蜜ミルクでも作ろうかね」 「ほんとに!?」 「ほんとさ。ほら、行こう。千秋くんも」  おばあちゃんは私達に微笑んで、ゆっくりとリビングへ歩いていった。 「千秋くん」  私は、まだ頬が赤い千秋くんの手を引いた。  まだ、千秋くんの悩み事は分からないけれど。どうして、何かあったときに私には絶対に相談してくれないのかも分からないけれど。  千秋くんが大事な友達なのには変わりないから。 「行こう!」  私が明るい笑顔を向けると、千秋くんの表情が、少し綻んだ。 「うん」  私達は、手を繋ぎながら一緒にリビングに歩いて行った。  
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