2

4/18

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
* * *  1階の玄関ホールにある、お城みたいに大きな階段を登って、白くてツヤツヤした廊下を真っ直ぐ進んでいく。画家をやってるお母さんが描いた、綺麗な風景画が飾られた道の突き当たり。燃えるような夕焼けの絵の向かい側に、お客さんを泊めるためのゲストルームがあった。 「着いた!」  私は、部屋のドアを元気よく開ける。すると、壁側にあるフカフカしたシングルベッドが目に入った。四角くて大きな窓にかかった白いレースカーテンからは、夕日の光が差し込んでいる。 「相変わらず、綺麗な部屋ね~!春花ちゃん、案内ありがとね」  叔母さんは嬉しそうに笑いながら、私の頭を撫でてくれた。 「うん!ここのお部屋、好きに使ってね!」 「ふふっ。はぁい。……でも、困ったわ」 「え?どうして?」 「いや……ここ、シングルベッドじゃない?千秋と一緒に寝るには、少し狭いかも……」  叔母さんは、顔を曇らせながら千秋くんをちらりと見た。千秋くんも、少し戸惑った顔をしてる。  たしかに、大人と子どもが一緒に寝るには少し狭いかも。しっかりくっつかなきゃ、ベッドから落ちちゃうよね。うーん、どうしたらいいのかな……。  ………………あ、そうだ! 「じゃあさ、千秋くん、私のお部屋で寝ればいいよ!子ども2人なら、全然狭くないよ!」
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加