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1階の玄関ホールにある、お城みたいに大きな階段を登って、白くてツヤツヤした廊下を真っ直ぐ進んでいく。画家をやってるお母さんが描いた、綺麗な風景画が飾られた道の突き当たり。燃えるような夕焼けの絵の向かい側に、お客さんを泊めるためのゲストルームがあった。
「着いた!」
私は、部屋のドアを元気よく開ける。すると、壁側にあるフカフカしたシングルベッドが目に入った。四角くて大きな窓にかかった白いレースカーテンからは、夕日の光が差し込んでいる。
「相変わらず、綺麗な部屋ね~!春花ちゃん、案内ありがとね」
叔母さんは嬉しそうに笑いながら、私の頭を撫でてくれた。
「うん!ここのお部屋、好きに使ってね!」
「ふふっ。はぁい。……でも、困ったわ」
「え?どうして?」
「いや……ここ、シングルベッドじゃない?千秋と一緒に寝るには、少し狭いかも……」
叔母さんは、顔を曇らせながら千秋くんをちらりと見た。千秋くんも、少し戸惑った顔をしてる。
たしかに、大人と子どもが一緒に寝るには少し狭いかも。しっかりくっつかなきゃ、ベッドから落ちちゃうよね。うーん、どうしたらいいのかな……。
………………あ、そうだ!
「じゃあさ、千秋くん、私のお部屋で寝ればいいよ!子ども2人なら、全然狭くないよ!」
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