10.5 千秋と雨上がり

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10.5 千秋と雨上がり

 おばあさんから貰った蜂蜜ミルクを飲んでいるうちに、お風呂が沸いて、僕はお風呂を借りてきた。  春花ちゃんの家は、広くて、お手伝いさんも多いから、お風呂も男の人用と女の人用が両方ある。  僕は広くてピカピカしたお風呂で温まった後、春花ちゃんから借りた服に着替えた。  紺色の生地に、黄色とオレンジの星がワンポイントで着いてある、春花ちゃんにしては珍しいかっこいいTシャツ。  袖を通してみたら、僕には少し大きかった。  腰まで隠れる裾を掴みながら、唇を噛む。  確かに、今は春花ちゃんの方が少しだけ背が高い。走るのも春花ちゃんの方が速いし、勉強も、春花ちゃんの方ができてる。  だからこそ、思った。  春花ちゃんを守れるように、早く成長したいって。  このTシャツが着れなくなるぐらい、早く背が高くなりたい。春花ちゃんより運動も勉強もできるようになって……いつか、春花ちゃんの一番になりたい。  いや、なりたいじゃなくて、なるんだ。  ちゃんと、言うんだ。1人で抱え込まないで、春花ちゃんの一番になりたいんだって言うんだ。  僕はほっぺたをぺしっと叩いて気合いを入れた。  春花ちゃんと話せるように、頑張るぞ。そう決めて脱衣所を出て、リビングに戻った。
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