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* * *  輝樹お兄さんに連れられてやって来たのは、ひだまり園っていう赤い屋根の建物だった。  駐車場の隣にある、玄関前の土の庭はすごく広くて、小さな子供たちから大きな子供たちまで、色んな人がコンロの支度をしたり、サッカーボールで遊んだりしていた。  そのサッカーをしている中にいた、茶色いショートボブの小さな女の子が、私たちに気がつくなり駆け寄ってきたんだ。 「眞冬にぃー!」  女の子は眞冬くんに勢いよく抱きついて、満面の笑みを見せる。 「おかえり!」 「おう、ただいま」  眞冬くんが優しい顔で女の子の頭を撫でるのを、私や千秋くんは珍しそうに眺めた。  眞冬くん、お兄ちゃんだったんだ。しかも、あんなに優しい顔するんだ。へぇ……。  そんなことを考えていたら、眞冬くんにも伝わったみたいで、少し赤らめた顔で睨まれちゃったんだ。 「……なんだよ。俺が年下に優しくしてるのがそんなに変かよ?」 「う、ううん!そんなことないよ!優しい眞冬くん、いいお兄ちゃんだと思う!ね、千秋くん?」 「う、うん!ちょっと珍しいなって思っただけだよ」 「ふーん……ほんとかよ」 「ほ、ほんとほんと!」  ほんとに、優しくてかっこいいと思うよ!うん!  私が心の中でそう言ったら、眞冬くんは、更に顔を赤くして、私から目を逸らしちゃった。 「……ならいい」  そんな眞冬くんの顔を見上げた女の子は、不思議そうに首を傾げる。 「眞冬にぃ、なんで顔赤くなってるのー?」
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