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我ながらナイスアイディア!自信満々に提案した私だったけど……赤い顔の千秋くんを見て、ちょっとだけ不安になっちゃった。
「もしかして、嫌……?」
「え、あ……えっと…………」
口をもごもごさせて俯く千秋くんの背中を、叔母さんがポンと押す。
「ふふっ、緊張してるのよね。お友達とお泊まりなんて、初めてだから。ね、千秋?」
「う、うん……」
なんだ、千秋くん、緊張してたんだね。
嫌がられてる訳じゃなくて安心した私は、自然と笑顔になっていた。ううん、安心しただけじゃない。千秋くんと初めてお泊まりできるなんて、ワクワクする!
「そっか!じゃあさ、楽しいこと、いっぱいしよ!」
「楽しいこと……?」
「うん!えっとね、ご本を読んだり、お話したり、お菓子食べたり……」
「春花ちゃん、千秋、夕飯の前後にお菓子食べちゃダメよ?」
「あ、叔母さんにバレちゃった!えへへ……」
「母さん、大丈夫だよ。僕、お菓子我慢する」
「ふふっ、よろしい!ほら、千秋。春花ちゃんに、お部屋案内してもらってきなさい。春花ちゃん、千秋のこと、お願いしていい?」
「うん!千秋くん、こっち!」
「あ……う、うん!」
私は、千秋くんの手を引っ張って、自分の部屋へ歩き出した。
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