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「ん?普通のお家じゃ食べないの?」
不思議に思った私が尋ねると、千秋くんは苦笑いしながら頷く。
「うん。僕の家ではあんまり食べないよ」
「そ、そうなんだ……」
……私のお家、珍しいんだな。あんまり考えたことなかったけど、うちってお金持ちなのかな?周りのお家より大きいし……。
そんなことを考えてたら、不意に不安になったんだ。
「私の感覚って、もしかして、みんなと違う?私って、変かな?」
私が尋ねると、千秋くんは慌てて首を横に振ってくれたんだ。
「変じゃないよ!お金持ちだから生活の仕方は違うかもしれないけど……僕、春花ちゃんは普通のいい子だと思う!」
「ほんとに!?良かったあ……」
私は安心して胸をなで下ろした。良かった。千秋くんに変な子だって思われてたら、嫌だったから。
「私って普通だったんだね!安心した」
私がそう千秋くんに笑顔を向けると、千秋くんの表情が少し曇っちゃったんだ。
「千秋くん?」
不思議に思って尋ねると、千秋くんは小さな声で呟いた。
「やっぱり……普通じゃない」
「え?」
「僕にとっては……普通じゃない」
千秋くんはそう言うと、私の顔を真っ直ぐに見た。
「えっ!?そ、そうなの!?」
や、やっぱり私って変なんだ……!うう、千秋くんに変だって思われてるの、すっごく嫌だよ……!
私がショックを受けて俯いていると、千秋くんは私に向かってハッキリと告げた。
「僕にとって……春花ちゃんは、特別だから」
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