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私が何も言えずにいると、お父さんは私の頭を撫でながら、こう言った。
「春花が、千秋くんの本当の気持ちに気づけたら、ちゃんと自分の気持ちを伝えなさい。それが、千秋くんへの誠意だからね」
「……うん」
私はお父さんに頷いて、施設の子と話す千秋くんの後ろ姿を見つめた。
千秋くんは、私にとって仲の良い友達で、従兄弟で……これから先も、そうなんだって思ってた。
でも、本当にそれでいいのかな?
私は、千秋くんをどう思ってるんだろう。
今まで感じていた心の違和感が、私を揺さぶる。
千秋くんと話したいって思うのも、千秋くんが夏実さんと話してたらモヤモヤしちゃうのも、千秋くんの言葉に胸が痛くなるのも……きっと何か意味があるんだ。
私にとって、千秋くんは……千秋くんへの、このモヤモヤした気持ちは……なんて名前なんだろう。
私は、そう自分に問いかけながら、千秋くんを見つめていた。
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