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* * *  輝樹お兄さんに火を付けて貰って、私は眞冬くんと一緒に、みんなから少し離れた場所で手持ち花火を眺める。  パチパチと火花を散らしながら光るオレンジ色の花火は、鮮やかで本当に綺麗。 「……千秋のことだろ」 「え……?」 「お前が悩んでるの、千秋とのことで何かあったんだろ」  眞冬くんはそう言うと、私に優しく笑いかける。 「話して楽になんなら、話してみろよ。俺が聞いてやるから」 「あ……うん」  私は花火を見つめながら眞冬くんに話し出した。 「千秋くんがね、私に特別だって言ってくれたの。でも……私、なんて答えてればいいか分からなくて」 「……そっか」  眞冬くんは静かに頷いた後、花火を見ながら寂しそうに笑った。 「すっげぇ好きなんだな。千秋のこと」 「……え?」 「分かってねぇのか?俺は、あいつが転校して来た時から分かってたよ。お前の気持ち」  眞冬くんはそう言うと、私の方を見て優しく笑う。 「俺はアビリティで『読める』けど、千秋は違う。だから、お前が言ってやらねぇと伝わんないんだ」 「何を……?」 「お前の気持ちだよ。お前が、千秋のこと好きだって気持ち」  ……私は、千秋くんが好き?  確かに、千秋くんのことは大好きだよ。でも、千秋くんの「特別」と私の「好き」は一緒なの……?  こんな状態で、私の気持ちを伝えても平気なの?  私が頭の中でぐるぐる悩んでいると、眞冬くんは花火に目を移して呟く。 「春花ってさ、意外と真面目だよな」 「え?」
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