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「昔の俺が春花の立場だったら、迷わず気持ちを伝えちまうと思う。……そうやって、父さんの浮気を暴いたから、俺は父さんと母さんに棄てられた」
眞冬くんは、悲しそうに笑いながら、言葉を続ける。
「流石に今はそんなことしねぇけどさ。でも……お前が苦しんでるのは見たくねぇ。だから、困らせるのを承知で言わせてもらう」
眞冬くんはそう言うと、私に向かって笑顔で告げた。
「俺も、お前のことが好きだ」
私と眞冬くんの花火が消える。遠くで子ども達がやっている花火の灯りが、仄かに眞冬くんの顔を照らした。
眞冬くんの……優しくて穏やかな表情が、私に向けられていたんだ。
「俺も、お前のことは特別だって思ってる。お前の笑顔は、俺の光なんだ。……だからさ、とっとと千秋と話して、解決して来いよ。そんで、また俺に笑顔を見せてくれ」
眞冬くんはそう言うと、私の背中をポンポンと押した。
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