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「眞冬くん……でも……」 「俺のことも千秋のことも気にすんな。俺なら大丈夫だし、千秋なら心配ねぇ。……正直に話すだけで良いんだよ。分かんないところは分かんないって言えばいいんだ。自分の気持ちを伝えることの大切さ、教えてくれたのはお前だろ」  眞冬くんはそう言って、私にニカッと笑顔を見せる。その笑顔を見て、私の中の迷いが消えた。  そうだ、眞冬くんにもそうしたように、私の気持ちも千秋くんに伝えなきゃ。  お父さんが言うように、千秋くんの気持ちが分かってから話すのも正しいと思う。でも……気持ちは、言わなきゃ伝わらない。  私は、千秋くんが好き。大好き。この気持ちが千秋くんの気持ちと同じなのかは、まだ分からないけど……ちゃんと、伝えたい。  ううん、伝えなきゃ! 「眞冬くん、ありがと!」  私は眞冬くんにそう言って、千秋くんの所に走って行った。
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