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* * *
私は、夏実さんと歩咲ちゃんと花火をしている千秋くんの所に走り寄った。
「千秋くん!」
私が声をかけると、千秋くんは驚いた顔で私を見る。
「春花ちゃん……?」
「あのね、言いたいことがあって……」
私がそう言うと、傍にいた夏実さんが少し微笑んで、「向こうに行こう」と歩咲ちゃんの手を引いて行ってくれた。
これで、この場にいるのは、千秋くんと私の2人きり。私は千秋くんの顔を真っ直ぐに見て、告げた。
「私も、千秋くんのこと、大好きだよ」
私の言葉を聞いて、千秋くんはビックリした顔をして……やがて、赤い顔で目を伏せる。
「春花ちゃんの好きと、僕の好きは、きっと違う……」
「……たしかに、私達の気持ちが同じかは、分からない。千秋くんが、どんな気持ちで私に「特別だ」って言ってくれたのかも、私にはまだ分からないんだ。……ごめんね。でもね、それでも私は千秋くんが大好きなの」
私がそう言うと、千秋くんは私の方をゆっくりと見つめて、口を開く。
「……僕も、春花ちゃんが好きだよ。出会ったときから、ずっと好き。……だから」
千秋くんは赤い顔のまま、私に優しく微笑んでくれた。
「いつか、僕の気持ち、分かってくれると嬉しいな。それまで……ずっと待ってる」
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