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「……春花ちゃん、謝らなくていいのは、春花ちゃんも同じよ」
叔母さんはそう言って、穏やかな瞳を私に向ける。
「千秋のために泣いてくれたのよね。ありがとう」
「え……？」
「悲しい時に、一緒に泣いてくれる人がいるって幸せなことなのよ。独りじゃないって、すごく温かいことなの。自分の気持ちを分かってくれるって、すごく嬉しいことなのよ。だから、ありがとう。千秋に寄り添ってくれて、私も嬉しい」
そう言って優しく微笑む叔母さんを見て、私の涙が止んだ。
励ませなかったんじゃなかったんだ。何もできなかったんじゃなかったんだ。
泣くことしかできなかったんじゃない。一緒に泣けたんだ。私、千秋くんに寄り添えてたんだ……。
それに気づいたら、胸が温かくなって、笑みがこぼれた。向かい側に座ってる千秋くんを見ると、少し頬を染めながら……私に向かって微笑んでくれてたんだ。
「春花ちゃん……ありがとう」
まだ、泣きすぎで目が腫れていたけど……キャンドルの灯みたいに、優しくて温かい笑顔だった。
この時、思ったんだ。千秋くんの笑顔、また見たいなって。ずっと、幸せに笑ってくれていたらいいなって。
守りたいって思ったの。千秋くんを。
私、あなたの『桜』になりたい。
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