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 そういう眞冬くんの表情は、すごく悲しそうだった。藤色の瞳が、わずかに揺れている。  それを見て思ったんだ。眞冬くんにも、何か辛いことがあったんだって。  それは、みんなと仲良くできなくなるような、謝ることが無意味だって感じてしまうようなことだったんだ。  それに気づいて、胸が苦しくなった。私は、両手を胸のあたりでぎゅっと握りながら、眞冬くんを見つめる。  助けてあげたい。そんなことないんだよって、教えてあげたい。 「眞冬くん、お互いに謝れば……仲直り、できるんだよ」  気づいたら、私は彼にそう伝えていた。 「仲直りしたら、もっと仲良くなれることだってあるんだよ。だから……」 「だから、俺に謝れって?」  眞冬くんは、悲しみを帯びた眼差しを、私に向ける。 「謝っても、相手が許してくれるとは限らない。謝っても、捨てられることだってある。俺、知ってんだよ」  眞冬くんはそう言って……何かを諦めたように、笑った。 「北原には、分かんないだろうけど」
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