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「え……?」
「大丈夫。春花ちゃんは、優しくて明るくて……すごく、いい子で……、嫌われたりしないと思う!」
千秋くんは、そう言って私とつなぐ手の力を強くする。
赤い頬っぺたも、ちょっと汗をかいた手も、手から伝わる震えも……全部、千秋くんが緊張してるってことを教えてくれた。
でもね、真っ直ぐだったの。
真紅の瞳は、真っ直ぐ私を見ていたの。
だから分かった。千秋くんは、嘘なんてついてなくて、ドキドキしながら私のことを励ましてくれたんだって。
それだけで……、すごく嬉しかった。
「……ありがとう、千秋くん!」
私は明るい笑顔を見せて、繋いだ手を、しっかりと握り返した。
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