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* * *
翌日、私は自分の席に着くなり、眞冬くんに、元気に手を差し出した。
「眞冬くん!」
突然声を掛けられて、眞冬くんは驚いた顔をする。
「な、なんだよ」
「友達になろ!!握手!」
私はニコニコしながら、眞冬くんが手を握り返してくれるのを待った。
…………でも。
「ならねえよ」
眞冬くんは、私の手を払いのけてしまったんだ。
「え……、なんで?」
「なんでって……、昨日まで喧嘩してた奴に、よくそんなこと言えるよな。お前、なんなんだよ」
眞冬くんは、そう言って私を睨みつける。
「何考えてるか、『読んでも読んでも』分かんねー。気味悪い」
「っ……」
眞冬くんの拒絶を前に、私は怯んで固まってしまった。
この時、一瞬……この子とは仲良くなれないかもって、思ってしまったんだ。
眞冬くんにも……それが伝わったみたいだった。
「……そうだよ。俺とお前は仲良くなんてなれない。友達になんて、なれないんだ」
眞冬くんは、そう言って席を立とうとする。でも、誰かが彼の腕を掴んで、引き留めたんだ。
「ま、待って……!」
それは……私の後ろに座っていた、千秋くんだった。
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