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私は眞冬くんを探して、闇雲に学校の中を走り回った。1階、2階、3階……どこを探しても、眞冬くんの姿は見つからない。
「はあっ、はあっ……、眞冬くん、どこ?」
私は、息を切らしながら、2階の特別教室がある棟に向かった。用事がない時は行っちゃいけない決まりだったけど、今はそれどころじゃない。
謝らなきゃ。眞冬くんに、謝らなきゃ……!
私、何も知らなかった。眞冬くんが、クラスの子にどんな風に思われてて、それでどんなに傷ついていたのか。
人の心が『読める』のが、どんなに大変なことなのかも。
なのに、私……一瞬、眞冬くんのこと、否定しちゃった。仲良くなれないかもって、思っちゃった……。
きっと、眞冬くん、すごく傷ついてる。だから、謝らなきゃ。謝って、仲直りして……言ってあげなきゃ。
眞冬くんは独りじゃないって。私は、眞冬くんのこと嫌わないって!
「眞冬くん!」
私は、図工室の扉を開けて、中に駆け込む。でも、ここに眞冬くんの姿はない。
「眞冬くん、どこなの……?」
私が途方に暮れていたその時。
「北原さん!」
誰かが、私の肩を叩いた。
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