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* * *  夏実さんについて行って、やがて辿り着いたのは、住宅街の大通りから外れた場所にある日本家屋だった。  玄関の入り口には「神崎」って書かれた表札が掛かってる。 「ここ、眞冬くんのお家?」  私が尋ねると、夏実さんが頷く。 「うん。……のね」  昔の……?  眞冬くん、今は別の所に住んでるのかな?  でも、何で?  分からないことが沢山浮かんできてしまい、私は思わず腕を組んで首を傾げた。  夏実さんは、そんな私を見て、困り眉で苦笑いした後、玄関のドアは開けずに、塀に囲まれた家の庭を歩き出した。私も、慌ててそれに続く。  眞冬くんの家、外観は大きくて立派なのに、庭には人が生活している感じが全くしない。家の壁に沿って並べられている鉢植えには、枯れた植物が植えっぱなしになってる。  まるで、誰も住んでいないみたい……。  夏実さんも言ってたけど、眞冬くんも、今はここには住んでないみたいだし、眞冬くんの家族も別の所で暮らしてるのかな。きっと、家族でお引越ししたんだろうな。  でも……、じゃあ、眞冬くんは何で昔の家に来てるのかな?もう、会う人もいないのに。  夏実さんの後に続いて、ぐるっと家の裏手に向かう。  庭に植えられた桜の木。その木陰に、彼はいた。  眞冬くんは、白と茶色と黒の三毛猫を膝の上に抱えながら、私達を睨んでいたんだ。 「何しに来たんだよ」
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