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「う、うん…………。え、えと……ありがとう」
少し俯きながらも、上目遣いで私を見ながら、そう言ってくれた千秋くん。ありがとうって言われたのが嬉しくて、私のことを見て話してくれたのも嬉しくて、私は思わず千秋くんの手を強く握った。急に手を握られて、びくりとする千秋くんに対して、私は明るく笑いながら自己紹介したんだ。
「私、北原春花!将来の夢は、桜になること!それからね、異能も『桜』でねー、桜の花びらが出せるんだ。綺麗だから、見せてあげる!」
私はそう言うと、ソファから千秋くんを引きずり下ろして、外へ向かって走り出した。
「春花!夕飯までに帰ってきなさい」
「はーい!お父さん、行ってきます!」
私はお父さんに元気よく返事して、千秋くんを西公園へと連れ出した。
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