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眞冬くんを学校に連れ帰る頃には、もう朝の会が終わっちゃってた。時間に遅れちゃった私達は、4人揃って先生に叱られちゃったんだ。
「神崎くんと北原さんは分かるけど、志野くんと瀬野さんまで……どこに行ってたか、説明してくれる?」
先生に尋ねられて、私は元気よく手を挙げる。
「眞冬くんのお家です!」
「なんで、眞冬くんのお家に行ってたの?」
「それは、えっと……」
正直に言ったら、眞冬くん、すっごく怒られちゃうよね……?なんて言えばいいのかな……。
私が口を噤んでいると、隣の眞冬くんが静かに答えた。
「俺が抜け出したの、探してくれてたんです」
「眞冬くん、それ言ったら……!」
私がアワアワしていると、眞冬くんは小さな声で
「全部、正直に話すよ。だから、お前は余計な心配すんな」
って、落ち着いた表情で言ってくれた。
「そうなんですね……。眞冬くん、なんで抜け出してたか、先生に説明して。北原さんと志野くんと瀬野さんは、先に教室に戻っていて下さい。3人とも、しっかり反省すること」
「は、はい!ごめんなさい!」
私は慌てて頭を下げて、ちらりと眞冬くんを見た。
すると、眞冬くんは……小さな微笑みを返してくれたんだ。
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