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「……レイラ、春花が待ってる。そろそろ行こう」 「そうね。……春花」  お母さんはお父さんから離れて、私の右手を柔らかく握った。 「一緒に行きましょうか」 「うん!」  私はお母さんの左手をしっかりと握り返し、空いてる左手をお父さんに向かって伸ばした。 「お父さんも、手、繋ご!」  明るく笑いながら伸ばした左手を、お父さんも優しく繋いでくれた。 「そうだな。一緒に行こう」 「うん!」  お父さんと繋いだ手も、お母さんと繋いだ手も、すごく温かい。  きっと、大好きなお父さんとお母さんと、手を繋いでるからだよね。  ずっと繋いでいたいな。こうやって、親子3人で。  私は、2人と繋ぐ手の力を強くしながら、幸せいっぱいな気持ちで、家に向かって歩いていった。
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