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三人で家に帰った後、私はリビングのソファで紅茶を飲みながら、お母さんに今までのことをお話した。
千秋くんがやってきたこと、眞冬くんや夏実さんと友達になれたこと。それから、さっきお父さんとお話してたことも。
「来年は、お母さんも一緒に桜が見れたらいいねってお話してたんだ。お母さん、来年は日本にいてくれる?」
私が尋ねると、お母さんはにっこり笑いながら頷いてくれた。
「ええ。個展も終わったし、しばらくは日本にいるつもりよ。だから、今年も、来年も、春花と一緒に過ごせるわ」
「ほんとに!?」
「うん。もちろん」
「やったー!」
お母さん、しばらく一緒にいてくれるんだ!
私は嬉しくて、隣に座るお母さんにぎゅーっと抱きついた。
お母さんの温もりが伝わってくる。この温度は、ずっと離れて暮らしてたお母さんが、今、私の隣にいてくれている証。
大好きなお母さんが、こうして傍にいてくれてるだけで、すっごく幸せだった。
「ふふっ、春花ったら甘えん坊ね」
お母さんは、そう微笑って、私を抱きしめ返してくれる。
お父さん相手にもそうだったけど、私のお母さんって、スキンシップが多いんだ。
外国生まれだからっていうのも理由だと思うけど、きっとそれだけじゃない。
大切な人と触れ合えることが、すごく温かいことだって知ってるんだと思う。
私やお父さんのことを大切に思ってくれてるから、こうして抱きしめてくれるんだろうな。
そんなお母さんが、私は大好きなんだ。
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