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私はお母さんにくっつきながら、明るい笑顔でその顔を見上げる。
キラキラしたアイスブルーの瞳と、色白で透き通った肌。雪みたいに綺麗な、私のお母さん。
見た目だけじゃなくて、心も水晶みたいに綺麗で優しい、私のお母さん。
私の見た目は、あんまりお母さんには似てないんだけど、心の方だけでも、お母さんみたいになりたいなって思うんだ。
「あのね、私もお母さんみたいになりたい!」
「あら……、ふふっ、そうなの。春花も画家になりたいの?」
「ううん。画家かどうかは分からないけど、お母さんみたいに綺麗になりたいなって思ったの。優しくて、すっごく綺麗なお母さんみたいになりたい」
私がそう言うと、お母さんは幸せそうに目を細めて、私の頭を撫でてくれた。
「なれるわよ。春花なら、お母さんよりもっと素敵になれる。春花がどんな大人になるのか、お母さん、とっても楽しみなのよ」
「お母さん……」
「だからね、お母さんに教えて?春花は、将来、何になりたいの?」
将来、何になりたいの……。そう聞かれて、私は小さく首を傾げる。
今まで、自分の将来の夢を聞かれたら、「桜」って答えてた。
でも、お母さんが聞いてるのは、そういうことじゃなくて……お仕事のことだと思う。さっき、私に画家になりたいのか聞いてたし。
将来の夢か……今まで、考えたこと無かったな。
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