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「そ、そんなつもりで言ったんじゃないよ!眞冬くんが、クラスの人のことを知ろうとしてるのが嬉しかったの」
「は?クラスのやつ……?」
眞冬くんは一瞬不思議そうな顔をして……すぐ、口元を押さえて目を逸らす。
「……他の奴には聞いてねえよ」
「え、そうなの?」
「ああ。……お前にしか聞いてない」
眞冬くんはそれだけ言うと、ランドセルを背負って後ろを向いてしまった。
「と、とにかく!……書いてこいよな。じゃ!」
「あ、ちょっと!眞冬くん!」
私は、猛ダッシュで教室出て行ってしまう眞冬くんの後ろ姿を、呆然と見送る。
さっきチラッと見えたけど、眞冬くん、耳まで真っ赤だったよね……。
も、もしかして、私が笑ったこと、すっごく怒ってる!?
ど、どうしよう。謝らなきゃダメかな?
私は慌てて眞冬くんを追って教室を出たけど、もう彼の姿は見当たらない。うう、どこにいるのか分からなかったら、謝りようがないよ……。
私が途方に暮れていると、後ろから誰かが肩を叩いてきた。
「春花ちゃん、どうしたの?」
「あ、千秋くん!えっとね、眞冬くんを怒らせちゃったかもしれなくて……」
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