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その日の夜、私はリビングのテーブルで、眞冬くんから貰ったプロフィール帳を書いていた。
名前や住んでるところ、それから、血液型とか、電話番号……。分からない部分は飛ばしながら、私はどんどん書き進めていく。
「……えーっと、あ、裏にもある!」
用紙を裏返して、なんて書いてあるのか確認すると、「あなたの事を教えて!」って書いてある項目に、好きなことを書く欄があった。
「えっと、好きなことは友達と遊ぶことで、好きな食べ物はおばあちゃんが作ってくれるクッキーでしょ。えっと、それから…………」
次の項目を見た時に、順調に書き進めていた私の手が止まった。
「好きな人?」
好きな人……。好きな人か。いっぱいいるなぁ。お父さんでしょ、お母さんでしょ、それからおばあちゃんと、友達のみんなと…………。
でも、書く場所が小さくて、1人の名前しか入らないよ。
「どうしよう……」
私が腕を組んで困り眉になっていると、リビングの扉が開いて、お母さんがやって来た。
「春花、何書いてるの?」
「プロフィール帳!友達から貰ったの」
「そうなの。覗いてもいい?」
「うん!いいよ」
お母さんは私の隣に座って、キラキラした長い銀髪を耳にかけながら、私のプロフィール帳を覗き込む。
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