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「ふふっ、春花はお友達と遊ぶのが好きなのね」 「うん!友達となら、追いかけっこもお絵描きも楽しいよ」 「へぇ、素敵ね。…………あら?好きな人のところ、何も書いてないのね」 「あ……あのね、書く場所が小さくて、全部書ききれなくて困ってるの。お母さん、どうしよう……」  そう相談しながら、上目遣いでお母さんを見つめると……お母さんはプッって吹き出した。 「ふふ……あはは!」 「な、何で笑うの!?私、すっごく真剣なのに……」  私が頬をふくらませると、お母さんは涙を拭って私の頭を撫でる。  うぅ……、撫でてもらえるのは嬉しいけど、ちょっと複雑だよ……。 「ふふっ……あ、ごめんね!勘違いしてる春花が可愛くて」 「勘違い?」 「好きな人っていうのは、お付き合いしたい人ってことよ!」 「お付き合い……?」  お付き合いって、一緒にいるってこと、だよね?人付き合いって言葉もあるし……。  私が首を傾げると、お母さんはくすりと微笑んでこう告げた。 「恋人になりたい人って言えば、分かる?」
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