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* * *  翌日の朝、私は早く登校して、眞冬くんと夏実さんから貰ったプロフィール帳を書き終えた。教室の時計の針は7時20分。まだ教室には誰も来てない。  私はぐぐっと伸びをして、プロフィール帳を見直した。  名前も、好きなことも、好きなものも、バッチリ書いてある。これなら、眞冬くんと夏実さんも喜んでくれるよね。早く渡したいなあ。 「早く来ないかなあ。……あ!」  私が教室の入り口に目を向けた瞬間、扉が、ガラガラと音を立てて開いた。  入って来たのは、黒い短髪で、紫色のパーカーを着ている男の子。  眞冬くんだ!  私はプロフィール帳を持って、彼に向かって駆けだした。 「眞冬くん、おはよ!……って、うわっ!?」  急いで走り寄ったせいで、ロングスカートの裾を踏んづけちゃって……私は、思いっきり体勢を崩してしまう。  どうしよう、転んじゃう!  そう思った、次の瞬間。 「春花!?」    眞冬くんが、私の身体を支えてくれた……んだけど。 「う、うわあっ!?」  私の勢いが止まらなくて、2人揃って転んでしまった。  
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