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私は慌てて立ち上がって、足元を確認する。そしたら……私が座っていた所に、折れ曲がってしまったプロフィール帳が落ちているのを見つけた。
「あ……!」
慌てて拾ったけど、折れて汚くなってしまったプロフィール帳を見て……涙が止まらなくなってしまう。
「っ……、折角、書いたのに……」
プロフィール帳に、涙がポツポツと跡を作る。
悔しかった。悲しかった。このプロフィール帳は、眞冬くんが私にだけ渡してくれたものだったのに。眞冬くんが、私と仲良くなろうって思ってくれた証だったのに。
なのに、こんなに汚くなっちゃった……。
「……ごめんね、眞冬くん」
私がか細い声で謝ると、眞冬くんは、私の手から静かにプロフィール帳を抜き取った。
「……読めるから問題ねえよ」
「で、でも……」
「俺がいいって言ってるからいいの。……たく、真面目な奴」
眞冬くんはそう言うと……優しい顔で、微笑んだ。
その微笑みが、とってもとっても思いやりに満ちていたから……私の涙は余計に止まらなくなってしまった。
「う……、うわあああん!」
「は!?な、何で泣くんだよ!大丈夫だって!落ち着けよ……」
「だって、だってえ……嬉しかったんだもん!」
「はあ……!?」
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