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5.5-2 眞冬の気持ち
春花から貰った、折れ曲がったプロフィール帳を眺めながら、俺は自分の席でニヤつく。
友達から、こんなもん貰う日が来るなんてな。プロフィール帳なんて、俺の柄じゃなかったが……やっぱり嬉しい。
春花らしい大きくて丸い文字を目で追いながら、俺は頬を緩める。
あいつ、ばあちゃんと一緒に暮らしてるんだな。クッキーが好きっていうのもあいつらしい。
好きな色はピンク。好きな動物は犬。それから、好きな人は…………。
「……はは。なんだよ、これ」
俺は春花の答えを見て、思わず笑ってしまった。
好きな人は……「みんな」か。
ほんと、どこまでも優しくて、ばかみたいに素直なやつ。
初めは、そんなあいつが嫌いだった。俺にはできない、明るくて優しい考え方をするあいつが……眩しすぎて、目が痛かったんだ。羨ましすぎたんだ。
でも、あいつが、俺に歩みよってくれて……友達になってくれて、俺の世界に光が差し込んできた。
友達の温かさも、人を信じるってことも、全部、あいつが教えてくれたんだ。
春花は、俺の光だ。
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