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* * *  夏実さんに連れられて、私達は町外れにある海沿いの住宅街の道を歩いた。  この住宅街は高台のようになっていて、砂浜に行くためには長い階段を降りなくちゃいけない。  でも、少し高い場所にある、住宅街の傍のこの道路からは、海がとっても綺麗に見えた。  空は昼と夕方の間の色。夏が近づいてきていて、日も長くなってきた。  優しいそよ風が、海の香りを運んでくる。 「もうすぐ着くよ。こっち」  夏実さんに促されて、私と千秋くんは住宅街の奥に向かって歩き始めた。  ……その時。  ガシャン!!  後ろで、何かが壊れる音がした。 「何……?」  私が振り返ると、目に入ったのはフロントガラスが派手に割れ、衝撃でへこんでしまったボディの、白い自動車。それから、頭から血を流している運転手のおじさん。  そして……。 「グォォォ!!」  全身が黒い鋼で覆われた、人型の高次元生物。 「っ……、みんな、逃げて!」  私は慌てて2人に声を掛けた。千秋くんは相手を見て、すぐに後ずさる。でも、夏実さんは……。 「あ…………」  フラフラと、その場にへたりこんでしまった。
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