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ときめく日記
なべくんとの交換日記。
どのようなノートにしようかしらー。
ミヨちゃんが言うには、
ー 人から見てもわからんように渡した方がいいよ、
と言われた。
家にあるノートで可愛らしいピンクのノートにした。
他のノートを買いに行ってもよかったが、どうしてもすぐ日記を書きたかったので、このノートにした。
鉛筆で一言一言綴っていく。
私のプロフィール、血液型に誕生日、星座など…。
好きな歌手に好きな事など…。
そして同じことを質問してみた。
出来るだけ丁寧に、わかりやすく書いていく。
ノートの横には、私の似顔絵も書きたした。
私は、意外と絵が上手なのだ。
少し書く絵は、女子の中でも好評だった。
可愛らしい絵を書いて私は満足げにした。
一息つくため、下に降りていく。
シーンと静まりかえったリビング。
冷蔵庫から冷たい牛乳を取り出し、そしてコップに一杯注いで飲む。
私の浮足立ってる体に、冷たい牛乳がしみわたる。
脱力感に似た感覚が体に残る。
ー 生きている。
ー これでよかったのだろうー
勉強とクラブ、そして彼氏、私の生活が一変したのだ。
二階に上がり、布団の中に潜り込む。
なべくんか…。
今頃何をしてるのだろうか…。
私の頭や胸に熱い感覚にも似た何かが詰まっている。
早く寝よう。
今日、一日に感謝している。
何度も寝返りをうっては、朝になっていった。
心の中は何となくわかっていた。
何回か日記交換していた。
いつも日記を手渡しするために彼を待っている。
今日もうまく交換日記を渡すことが出来るだろうか。
昨日は彼から日記をもらうはずだったのに…。
バスケの部活も終わり、運動場の端の水道の前。
彼との待ち合わせ場所だ。
昨日は現れる事がなかった。
「私のこと忘れちゃったのかしら〜。」
となっちゃんに相談するが、
「きっと、日記の返事がまだかけてなかったんじゃない?」
という。
「いいのよ、別に…。」
と下を向く。
ずっーと待ってたのに…。
友達数人と楽しそうに帰ってる彼を見た私は、夜、思い切って電話した。
彼の声が受話器のむこうからたんたんと聞こえてくる。
ー 男の友達も大切にしたいんだ…。そういった日もあるよー。ごめん。
と彼は答えた。
ー 違う、何かが違う…。
私が思い描いていたカップルとは違っていた。
なっちゃんと彼は、仲がいいのに…。
彼は彼女を大切にしてるみたいだ。
今さら考えると、告白してOKしてもらって…。
ー まぁ、いいか…。
途端に目に飛び込んでくる生徒達。
その中に彼の面影を探していた。
私は、たくさん並んでいる水道の前で彼を待っていた。
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