ユーモラスな映画

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ユーモラスな映画

この街の駅は人通りも多くて、街としては栄えてる方だ。 時間帯によっては、行き交う人々の中にサラーリマンや学生の姿が多い。 ところが、休日となる今日は、私達みたいな若年層か家族連れが多かった。 私達はコンビニの横を通り過ぎ、駅に向かう。 「さぁ、上映時間まであと一時間しかないから急ぐとするか…。」 と慌てて歩き出す。 私は、自分が少し遅れてきたことを皆に詫びる。 「そんな事、ないない、行こうか、」 と皆は笑って許してくれた。 悪かったなぁ〜 皆、いい人で良かった。 皆について階段をゆっくりと上がっていく。 浜りんは時計をチラリと見る。 そして慌てて切符を買った。 皆も慌てて買うとホームへと急いだ。 映画館に着いて、中に入る。 と、休日のせいもあって沢山の人がいた。 人混みをかき分けるように中に入った。 映画といえばお決まりのポップコーンだ。 「飲み物と何か買って入るか?」 私のお腹がなった。 「朝、寝坊しちゃって…、何も食べてないんだった…!」 私はお腹に手をおいた。 「そうか、何か買ってから入ろう。」 私はショーケースに入っているお菓子とパンをながめていた。 「トモさん。」 しなやかで優しい声。 なべくんはニッコリと笑って、ジュースとパンを買って立っていた。 ちょっと嬉しかった。 なんでだろう。 一緒にいると何故か安心する。 「私の好きな物わかったの〜?なんで〜?」 照れくさそうに彼は 「わかるよ。ずっーと見てたもん。」 彼は少し笑いながら買ってきた物を見せた。 「ほら〜。」 「やダァ、本当!!私が好きなものばかり…。」 小さな声で 「ありがとう…。」 なべくんの優しい瞳。 差し出す手に触れた。 少し温かかった。 彼といるとホッとする。 初めてのデート。 彼の後ろからついていく。 私達の周りは少し緊張した空気があった。 くるくると回る私の気持ち、 ちょうちょのようにふわりふわり、 緊張しながら飛ぶ。 「ちょっと待って…。」 早足の彼の後ろをついて歩く。 中に入ると映画館のなかは違っていた。 コミカルな感じの映画で、客席は笑い声でいっぱいだった。 「トモさん、人でいっぱいで空いてる席見当たらないなぁー。」 本当だ…。 周りを見ても立ち見の客でいっぱいだ。 立ち見か…。 なべくんと私達四人は、空いている端の場所で映画を見ることになった。 ユーモラスの映画だった。 私達、女の子は一応賛成はしたけど、男二人のリクエストでもある映画だ。 「面白いね、海外の映画でこんな風な感じの映画があるんだ〜。」 スクリーンの中の主人公は、カンフーを使い身体とアクションで笑いをとっていた。 恋愛映画という感じでもなく、今が楽しければいい、…という映画だった。 買ってきたコーラに口をつける。 その味は刺激的に感じだ。 この映画も、コーラの味も忘れないだろう。 四人とも映画を見終わるとすぐさま外に出た。 昼食の時間とあってか外は賑わっていた。 映画館の外はうだるような暑さだった。 あつー…。 「暑いね。」 私達は顔を見合わせた。 パタパタと手であおる。 「お腹、空いたねぇー。それにとても暑いなぁ。」 「そうだね~。とりあえず二見駅に戻ろう…」 「ここは人でいっぱいだ。」 私達はすぐさま自分達の街に帰ることにした。 「最近、年々暑くなってきてるなぁ~」 「早く戻ろう…二見駅の周りの店でなにか食べにいこう。」 「そうしよう…、駅前に何軒かありそう、早く戻ろう。」 私達は来た道を戻り、電車に乗り込んだ。
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